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06/11/29(水) 20:24

マリー・アントワネット

マリー・アントワネット ☆☆1/2

ストーリー・
オーストリア皇女マリーは、14歳にしてフランス王大子ルイ16世の元へ嫁ぐことになった。結婚生活に胸を膨らませていたが、待ち受けていたのは、上辺だけ取り繕ったベルサイユ宮殿の人々と、愛情のない夫婦生活。ルイは必要な事以外はマリーと口もきかず、同じベッドに寝ていても、指一本触れない。愛情深く育ったマリーだったが、悪意溢れる噂に傷つき、やがて贅沢なドレスやパーティーに心の安らぎを求めるようになる。

感想・

世界史の教科書で勉強した人でもマリー・アントワネットについて詳しく知ることはできない。それこそ1行2行そこそこでギロチン死刑になった、というくらいの説明だもの。そう、マリー・アントワネットについてなんてアメリカ人も日本人も殆ど贅沢な貴婦人というイメージしか持っていないのだ。これこそソフィア・コッポラが狙ったところ。ベッドの上で『Let Them Eat Cake』なんてキルスティン・ダンストが言っちゃうところなんてアントワネットを漫画のように見れる人にとってはOKだが、自国フランス人にとってはこれ上な侮辱なのかも知れない。そこがこの映画にノレるかノレないかも分かれ目。前半はアントワネットが宮廷に招かれ、跡継ぎに励むルイ16世とアントワネットを現代の冷めた夫婦のように現実感バリバリで笑わせ、テンポも丁寧さが際立つ。それが中盤吹っ切れる。前半で抱いてきたモヤモヤ感のあるアントワネットが鳥のように羽ばたくかの如く、豪勢なお料理を食べ、豪華な靴や衣装でパーティ三昧を味わい正に『The Party That Started A Revolution』。ここからはもうソフィア節が炸裂し、前半で憂鬱な宮廷を『ロスト・イン・トランスレーション』の日本のようにみせたかと思えばこの中盤からはさながら吹っ切れて東京の街を走り回るスカーレット・ヨハンソンの役柄のようなノリ。誰もが一度は経験する【孤独】をまたまた、しかも今度は史劇で描いて、ソフィアの自分の孤独感を共感して欲しいという欲望がまたまた空回り。だって夫に夜の付き合いをされなくてパーティ三昧を繰り広げ、それを孤独への開放と描いているところが全くもって自己陶酔だ(もしスパイク・ジョーンズのこと、と指されても仕方がないほど)。しかもソフィアのセンスに全ておまかせしたヴィジュアルの連続にも萎えてしまう。処女作『ヴァージン・スーサイズ』との旧友キルスティン・ダンストが原っぱで幻影的なモンタージュで映像を支配してしまう。このシーン、ソフィアのセンスが【クールで可愛くてガーリーで最高!】と取ることが出来れば本作の見方が180度違ったものになるのかもしれないが、個人的にはまたまた同じ事を繰り返しての自分のセンスに酔っているソフィアがカメラの向こう側に見えるようで正直ウンザリだ。
とはいえ、全く彼女のセンスを否定することができなく、構図的にハッとする美しいショットが多数あるので侮れない。特にギロチン前に民衆の前で頭を下げるアントワネット、ラストのギロチンを描かずも荒れた宮廷を映し出すショットなど、前記したソフィアのセンスだけでは処理できない奇跡のショットで救われ、Siouxsie&The BansheesのHong Kong Garden、The StrokesのWhat Ever Happenedなどの完全にアントワネットの生きた時代のパーティで流れない音楽の融合も楽しく、ゴチャゴチャ感のある煮物のような魅力で押してくる。
確かにアントワネットその人について、フランス革命について、ルイ16世について、少しは知っておいたほうがより知識が使えるのかもしれない。しかし本作のような歴史を無視した作りの映画には歴史を知らずに見たほうが純粋に世界へ入り込むことができるだろう。マリー・アントワネットのことを異世界の孤独感で苦しむ14歳の普通の少女として描いているところは堅苦しい教科書に沿った伝記映画よりもよっぽど映画的で面白い。
そんなソフィアの世界観が全面に出た本作の中でアントワネット演じるキルスティン・ダンストも情感たっぷりに演じて決してソフィアの操り人形として機能しない。キルスティンの得意な崩れた女の魅力(過去作としてはガールズ・ルール、モナリザ・スマイルなど)も久しぶりに全快だ。

【画像はマイポスター
アメリカ版オリジナルとフランス版ミニポスター】

カテゴリ:映画感想文
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コメント[2]
まかろに 06/11/29(水) 21:49
こんばんは。
未見です、レンタル待ちますw

あの時に上手く逃げておけば…捕まらな...
フランス軍の作戦の漏らしているとの噂→タンプル塔への幽閉→ギロチン処刑。


この時代の背景からすると...ねぇ。
どうなんですかねw一見の価値はありそうですね。
ジム 06/12/10() 23:06
>まかろにさん
公開前からレンタル待ち宣言ですか!(笑)
一応は見ておいてもいい映画かもしれません。
映像は美しいから。あとはセンスが合うか合わぬか。

ああ、ちなみに幽閉シーンもギロチンシーンも描かれません。
あくまでソフィアは等身大の青春映画を撮りたかったようで。

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06/11/29(水) 20:18
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06/11/29(水) 23:04