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06/11/29(水) 18:21

弓 ☆☆☆☆1/2

ストーリー・
船の上で暮らす老人と少女がいた。10年前、老人がどこからか連れてきて以来、少女は釣り人を運ぶ船の上から一歩も出ないまま、もうすぐ17才になろうとしていた。それは、老人と少女が結婚する日でもあった。老人は、カレンダーに印を付け、その日を心待ちにしていた。少女に、いたずらする男がいると、老人は弓で威嚇して彼女を守った。その弓を放ってする弓占いは、釣り人に人気だった。老人と少女は、固い信頼で結ばれていた。しかし、釣り人の中に一人の青年が乗った日から、二人の関係は微妙に変わり始める。

感想・
船で育てられた少女、その船で少女が17歳になったら結婚しようと思っているジイサン、この二人の関係を怪しみ少女に新しい世界を見せてやろうとする青年。
1時間40分、たったこれだけの3人の登場人物だけで映画に必要な要素をぶちまけるキム・ギドク監督、只者じゃない。
まず驚くのが出ずっぱりの主役の少女と老人に全く台詞を与えず、表情のコミニュケーションでストーリーを進め、且、人間の色んな感情をむき出しにしているという点だ。老人が夜な夜な少女の体を洗い寝る前に手を繋いでつながりを実感するシーン、台詞なんてなくても、セックスシーンなんてなくともなんとエロチックなことだろう。
役者の自然な演技を100%活かした演出と、一番の功労はタイトルの通り「弓」を幻想的に描いたところだろう。弓占いで少女をかすめる矢、二人の10年という信頼の目線が破れる後半の展開。うっとりするほど幻想的な映像と少女の独立。
この映画をただのロリコン映画とも捉えられても仕方ないのかもしれない。表面だけで捉えれば老人と少女の結婚なんて許されないもの。しかし、彼らの信頼関係を示すラストとその直後のびっくりの愛のカタチさえ抑えれば歳なんて関係ないじゃないとも思う。

愛とは、信頼か、感情か、それとも見た目か。
シンプルだがなかなか答えが出ないこの問いを御伽噺としてみせるギドクの味に酔え!

【画像は韓国盤DVDジャケット】

カテゴリ:映画感想文
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